型から出した直後の石けんを使ったことがある人は、「なんかぬるぬるする」と感じたことがあるかもしれない。それは、けん化が完全に終わっていないか、水分が多すぎるためだ。熟成期間は、石けんを「使えるもの」にするために必要な時間だ。
型出し直後の状態 ¶
コールドプロセス石けんは、型に流し込んでから24〜48時間で固まる。ただ、この時点では水分が20〜30%残っており、pHも高い(アルカリ性が強い)。そのまま使うと、肌への刺激が強すぎることがある。また、柔らかくて崩れやすい。
熟成中に何が起きるか ¶
棚に並べた石けんは、時間をかけて水分が蒸発する。水分が抜けると、石けんが硬くなり、泡立ちが良くなる。同時に、残っていた苛性ソーダが完全にけん化し、pHが安定する。この過程は急がせることができない。温度や湿度によって速度が変わるが、最低でも4週間、できれば6週間は必要だと考えている。
Quartz Blend Gateが6週間にしている理由 ¶
4週間でも使えるが、6週間後の方が泡立ちが良く、石けんが長持ちする。水分が十分に抜けた石けんは、使用中に溶けにくい。Quartz Blend Gateでは、型出しから6週間経過したものだけを出荷している。急いで出荷したことは一度もない。売り切れたら、次のバッチを待ってほしい。
保管場所の重要性 ¶
熟成中の石けんは、風通しの良い場所に置く必要がある。湿気が多いと、表面に白い粉(ソーダ灰)が出ることがある。ソーダ灰は無害だが、見た目が悪い。Quartz Blend Gateのスタジオでは、窓際の棚に並べ、季節によって窓の開け閉めを調整している。夏は特に湿気に注意が必要だ。
熟成期間のことを知ると、石けんが売り切れたときの「次のバッチまで7〜8週間かかります」という案内の意味が分かってもらえると思う。急ぎたい気持ちは分かるが、急げない理由がある。